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2014年7月18日金曜日

東博東洋館 明代の書

東京國立博物館の東洋館には現在明代の書が展示せられてゐる。その中でも陳烈といふ人物の書は、文徴明死して後に没落の道を辿つた呉派の殘照を見るやうで興味深い。字の形は文徴明や祝允明とさほど變はらないのであるが、構成及び雰圍氣が弛緩してゐる。その原因としては色々考へられる。一つには筆畫が一本調子で肥瘦・深淺の無いこと、二つには筆の穂を同じ面でしか使つてゐないことが擧げられやう。技術といふよりは寧ろ氣遣ひが足りないのである。とはいへこれもまた明代の書の或る側面を示してゐるものであるから、觀ておく必要はある。


(三村一貴)

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